1997年11月19日

「模試」のイントネーション(増田健一郎)


はじめまして。
ここに書いて良いものかどうかわかりませんが、
前々から気になって、あっちこっちで聞いています。
「模擬試験」の「模試」のイントネーションなんですが、
名古屋出身の僕はずっと「ポチ」と同じイントネーションで読んでいましたが、
東京の人は「ムシ」と同じイントネーションで読んでいるようです。

一般的な、関東と関西の違いとは違う分布の仕方をしているのではないか、と
踏んでいるんですが、どうなんでしょうか?
アクセント辞典などにも、こういった略語は載っていないようですが。

                        ますだ



satopy さんからのコメント

( Date: 1997年 11月 19日 水曜日 13:02:30)


 おっしゃるように、「関東と関西の違いとは違う分布の仕方」だと思います。

 私は、埼玉県出身の37歳です。私たちが大学受験していたころは、模試も「ポチ」と同じアクセントでした。(●〇とか高低とか書いたりします)

 模試がムシと同じになるのは、最近の傾向で、その言葉や概念になれてくると、尻上がり調のアクセントになることがあります。

 また、最近のはやりものには、好んでこのタイプのアクセントを使いますね。アムラーとかシノラーとか。これも、私のような古い人間には「関東」と同じアクセント(●〇〇〇)の方が似つかわしいと思ったりすることがあります。

 以上、御参考まで。


 



Terry さんからのコメント

( Date: 1997年 11月 19日 水曜日 14:22:32)


結構気になります。私はこれは、語尾上がりの新形ではないかと思います。
私自身、語尾上がりには二通りあると考えておりますが、まず、タモリ氏の
命名では「半疑問形」とか呼ばれるタイプのもの(以前、このページでも
とりあげられていました。)と単語の語尾を上げる、いわゆる「現代風」に
わけて考えております。

この模試のアクセントは元来、「ポチ」のアクセントであったのではないか、
そして、最近の若い人の発音として、「ムシ」のアクセントへと移行して
いるのではないかと考えます。同様の物に、「サーファー」「カレシ」そして、
最近私が妙に気になって仕方が無い「カナリ」があります。

ちなみに、私はsatopyさんに程近い、39歳の埼玉県出身者です。

言葉のよろずや



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1997年 11月 19日 水曜日 15:02:37)


 これは「専門家アクセント」といわれるものの一種でしょう。元々語頭や語中にアクセントの下がり目が有ったものでも、しょっちゅう口にすることばは、アクセントの下がり目が無く、平板なものになることがよくあります。「専門家アクセント」という述語で呼ばれるのは、あるジャンルの専門家は、特定の語についてよく口にするのでアクセントが平板化してしまう、しかも平板化させることによって仲間意識を作り出す、ということのようです。
 「電車・映画」が、頭高から平板なアクセントに変化したのは早かったのですが、最近になって、平板アクセントが増えてきたといわれます。
  サーファー、サポーター、彼氏、かなり……、
 「模試」もそうしたものでしょう。受験業界で言い習わされたのでしょうか。そういえば「日本史」もニホ'ンシではなく平板でいう言い方(「日本酒」と同じ、といえばいいでしょうか)が増えてきているようですね。

 なお、イントネーションというのは、疑問や断定を表す音調の意味に限定した方が良く、単語における高低の習慣はアクセントと呼びます。以下の説明を参照ください。


 と、ここまで書いてから見たら、すでにいろんなコメントがありますね。

アクセントとイントネーション



satopy さんからのコメント

( Date: 1997年 11月 19日 水曜日 16:24:06)


 あ、みんなずるいなぁ。自分のページにリンクして。
もとい、うまいですね。

 あたしも参考できそうなところへリンクしちゃうぞ。

 推理小説を読むたびに

 「カクカイ」のアクセント



小矢野哲夫(KOYANO Tetsuo) さんからのコメント

( Date: 1997年 11月 19日 水曜日 19:15:42)


今日、学生に聞いてみました。結果は次の通りです。
模試 モシ(高低 頭高型) 6人
   モシ(低高 平板型)17人
この人数以外に数人(ぼくのばあいは5、6人、学生は2、3人)が眠っていましたが。
やっぱり、若い人たちによく聞かれる「専門家アクセント」の傾向がありそうですね。
ちなみに、ぼく(48歳、鳥取県倉吉市出身、佐渡嶽部屋?)は、少数派の頭高型で発音します。
「かなり」の平板型は、「非常に」の意味で使っているようです。「かなりやばいらしい」(低高高、高低低、低低低)と言えば、「結構やばい」「最低」「最悪」状態みたいです。「結構やばい」も同様です。



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1997年 11月 20日 木曜日 12:12:55)


 関西でも平板化が進んでいるのですね。でも形容詞のアクセントは根強そうですね。「やばいらし’い」あるいは平板にはならないのですね。

 あまり関係無いことで思い出したのですが、関西では形容詞のアクセントが1種類しかないので、東京風のアクセントを真似るときに困るわけですが、その際、全部平板に言っている人が居て、意外に思ったことでした。私の言葉は全部起伏アクセントになるわけなので。

>この人数以外に数人(ぼくのばあいは5、6人、学生は2、3人)が眠っていましたが。
 「数人」の意味について書いておられるのですね。最初は何のことか分かりませんでした。



増田健一郎 さんからのコメント

( Date: 1997年 11月 21日 金曜日 1:32:46)


僕も最初、その「専門家アクセント」かとも思ったのですが、
名古屋では完全に「高低」なんですよ。若い人も疑う余地なく。
「カレシ」や「バイク」は平板化しているのに...
そして、何と、その「専門家」たる予備校に勤めている僕も、「高低」なので
ちょっと珍しいかなと思い、挙げてみました。

                      ますだ


posted by 岡島昭浩 at 01:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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