いいまさんの独り言を読んで思い出したのですが、簡易懐炉のドントというののCMで表題のようなものがあったかと思いますが、これにテロップがついていたことがあったとか。
私は見たことが無いのですが、「弥生時代?のことばを復元……」とかいうふうに。
「ちゃんぶちちゃんぶち」(寒し寒し)ならあるかもしれませんが、どうも怪しそうなのでテロップをはずしたのでしょうか。語頭濁音はあるし。
→ ふしぎな声(ひとりごと 飯間さん)
Yeemar さんからのコメント
( Date: 1998年 7月 30日 木曜日 19:53:21)
「ちゃっぷいちゃっぷい」については、CM放映当時「週刊朝日」で
取り上げられ、たしかに、制作者側の「弥生時代の音を云々……」と
いう話は紹介されていました。CMのテロップに出ていたかどうかは
知りません。
この記事には大野晋学習院大学教授(当時)のコメントが載ってい
ました。「『チャップイチャップイ』はないと思います、『チャブチ
チャブチ』となるでしょうね」というようなコメントだったと記憶し
ます。
ここで思う。弥生時代にク活用形容詞語尾の「チ」は一般的だった
ろうかな、と。
「チャンブチャンブ、トンドポチー」とか。
satopy さんからのコメント
( Date: 1998年 7月 30日 木曜日 22:59:43)
>「チャンブチャンブ、トンドポチー」
^^^^^^^^^^^^^^
喚体句、あるいは形容詞の語幹用法ということでしょうか。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 1998年 7月 31日 金曜日 7:04:45)
「寒」に「し」がついて用言性をおび、述体句で用いられるのは新しい
であろうと“考証”しました。弥生時代のことですので無責任です。
ついでに「さぶし」はさらに新しく江戸時代ぐらいかららしいので、
弥生時代ならば
「チャム、チャム、トンドポチー」
などではいかがでしょうか。商品名が変わってしまいますが。
satopy さんからのコメント
( Date: 1998年 7月 31日 金曜日 14:34:20)
なるほど。ここまで来たら、「ポチー」は、さらに発達が遅れる(といわれている)シク活用なので、なんとかしちゃいましょう。
「チャム、チャム、トンド、ポルポル(欲る欲る)」
動詞にしちゃうとか。終止形は今一つかな。「ポラム、ポラム」?
taijaS さんからのコメント
( Date: 1999年 8月 16日 月曜日 19:07:28)
(このスレッドに一番近い話題かと思い、こちらにつなげます。)
本日近所のレコード店で、姫神「神々の詩」を入手しました。TBS系のドキュメンタリ番組のサントラ盤です。
買って帰って開封し、歌詞を見てびっくり! 島唄とブルガリアン・ヴォイスとパンソリとを足して3で割ったようなボーカル(というかコーラス)のエスニックな文言は、なんと「縄文語」、しかも崎山理氏によるもの。
短いので全文引用します。こんなことを歌っていたのか。
A−ba,naa−nga MAPO 私は名前がマポです。
A−ni,nono to,aya to,ine to,ye to, 私に、祖父(祖母)、父、母、
oto si bu−i−bu−mu 兄(姉)と弟(妹)が居ます。
A−ba,naa−nga MAPO
A−ba,naa−nga MAPO
オ列乙類のウムラウト表示が出来ないので、下線を引きました。最後の「乙し ぶいぶむ」の後半がわからない。「し」は強意の助詞でしょうか。「ぶいぶむ」(おそらく動詞)は…?
それから、語彙的・音韻的には実にマニアックな(?)作りになっているようですが、文法的に見るとこれってどうなんでしょう。
「私は 名前が ○○です」という構文は、上代やそれ以前にあったのかしらん。「吾(あ)が名…」とかなんとか言いそうな気が。そして「名が マポ。」という体言終止の述部のあり方もどうか。(個人の好みで言えば、ここは「AハBソ」的に係り結んで欲しい気も。)
「私に ××が います」も、構文的にはどうでしょう。少なくとも動詞は「いる」系ではなく「あり」でしょうね。
taijaS さんからのコメント
( Date: 1999年 8月 16日 月曜日 19:23:20)
上記本文冒頭、「本日近所のCDショップで、…」にご訂正下さい。世代がバレバレでした(^^;;)。
ちなみに購入したCDは、PonyCanyonのPCCA-01177です。実際にお聞きになりたい方はCD屋さんへどうぞ。
# 同時に買ったNHK「世紀を越えて」サントラもgoodでした。この手のエスニック・ヒーリング系音楽、最近流行ってるんでしょうか。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 8月 18日 水曜日 17:10:05)
[anga napa mapo]
[o¨po¨tito¨ o¨po¨pato¨ titito¨ papato¨ yeto¨ o¨to¨to¨ ari]
「我が名は真帆。
祖父(おほち)と祖母(おほは)と、父と母と、兄(え)と弟(おと)とあり。」
ではいかがでしょう。添削お願いします。
「おほ・ち」、「おほ・は」の結合は弱く連濁しなかったとみました。
「〜は〜そ」でもいいのでしょうが、古拙の感じを出してみました。
「のの」「あや」「いね」が分かりませんが、固有名詞でしょうか。
「レコード店」はアリだと思います。
・「暮しの手帖のレコードショップ」(「暮しの手帖」1999.6-7月号より)
「goo」で検索しますと、「CD店」より多いようです。
このCD、入手したいと思います。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2000年 2月 07日 月曜日 3:36:51)
「言語生活」406 1985.9「新・ことばのくずかご」(p.95)に
まさにこのつくば博のことが出ていました。
日本語のルーツ
「マンドウ ユルルカニ ミティ ユキタマピア アンガ
ツユクタティ」(まあ ゆっくり 見て行って下さい。私の
友だちよ)韓国語に似た響きをもっているが、専門の研究者が
再現した弥生語
(「週刊朝日」7月19日号36「遠い記憶と出会う感動!! エレ
クトロニクスが古代と出会う松下館」尾崎正直) (Y)
Yは山崎誠氏。私は自分のホームページで「奈良時代語」と書い
ていましたが誤りでした。弥生語でした。↑上の議論で、もっぱ
ら弥生語について話題になっていたのに、何年もの間気づかなかっ
たのは不明の至りです。訂正しておきました。m(_ _)m
ところで、この記事に出ている「マンドウ……」は、「まづ、ゆ
るるかに見てゆきまたへ。吾が……」までは分かるのですが、そ
の次の「ツクユタティ」が謎。「タティ」は「たち」ですね。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2000年 2月 07日 月曜日 3:41:38)
引用文、「ツクユタティ」です。危ないですね、失礼しました。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2000年 2月 07日 月曜日 18:56:45)
ああ、分かりました。
「まづ、ゆるるかに見て行きたまへ、吾が作る太刀」だ。
たぶん、正解でしょう。
「私の友だちよ」は筆者のうろ覚えによる誤りでしょう。
現物に当たってみると、これは松下電器の広告記事。
原文の前後は
弥生時代の竪穴式住居の中で、男が道具を
作り、女が機を織っている。動きがあまりに
も自然なので、一瞬、生きた人間かと思うほ
どだが、実はこの二人は弥生人のロボット。
男が突然話しだした。
「マンドウ ユルルカニ ミティ ユキタ
マピア アンガ ツクユタティ」(まあ ゆ
っくり 見て行って下さい。私の友だちよ)
韓国語に似た響きをもっているが、専門の研
究者が再現した弥生語で、現在の日本語の源
流ともなった言葉だという。
一万年にも及んだ縄文時代に続いて、今か
ら二千三百年ほど前に弥生時代が始まり、そ
れが約六百年続いた。そのころの古代人はど
こからきて、どんな生活を営んでいたか、衣、
食、住のおのおのについて、最新のAV(音響
・映像)機器を駆使し、楽しみながらしらずし
らず頭に入るよう、工夫がこらされている。
となっています。男が道具を作りながらしゃべるせりふとしても矛盾はあり
ません。
すると、より正確には
「マンドゥ ユルルカニ ミティ ユキタマピア アンガ トゥクユ
タティ」
ぐらいになるのでは。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 7月 19日 水曜日 16:24:38)
昔から持っていた本なのですが、見落としていました。『左巻き宣伝部』という金鳥のCMについての本です。
たとえばNHKの面白ゼミナール的なものも考えた。そんな時、なんかの雑誌で古代用語ガ復元されたという記事をスタッフのひとりが読んだ。
そこで古代用語を使ってコマーシャルを作ればおもしろいということになった。大学院を出てまもない徳永真一郎(電通プランナー)が、大学の研究室や図書館に出向いて調べたところ、古代用語と現代用語のちがいは、“さ行”が“ちゃ、ち、ちゅ、ちぇ、ちょ”、“は行”が“ば、び、ぷ、ぺ、ぽ”(「ば・び」は本のまま――岡島注) であることが分かった。
そこで、大阪弁の“さぶい”にあてはめて“ちゃぷい”、“ほしい”が“ぽちい”という新造語になった。(p212)前々からクイズゼミナールのCM版を狙っていたところ、ふと古代語の再現を思い付きました。さる高名な国語学者に聞いて、せりふを古墳時代の発音に近づけましたし、たて穴式住居や衣装もきちっと時代考証しました。文珍さんの眼鏡は予定外でした。
古代人も“ちゃっぷいちゃっぷい”と言っていたのかってよく聞かれるが……。語感上、関西弁の“さぶい”を古墳時代流に発言したまでで、はたしてその時代に関西弁があったかどうか。
続編の計画は、じつはもう一本作ってあります。魚を一匹釣ってきて“こととりかてむ”(これと取り換えよう)という作品です。非常におもしろいんですが、ちゃっぷいちゃっぷいの人気がすごいので、今シーズンの出番はないかもしれません。(p216)
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 7月 19日 水曜日 16:29:04)
昭和60年2月20日初版発行。宣伝会議教育本部編集。宣伝会議発行、です。書形は枡形本、蚊取り線香「金鳥の渦巻」の箱に似せるが、やや大きめ。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2004年 01月 28日 水曜日 00:30:07)
学生さんからの情報によると、三重の斎宮歴史博物館では、平安時代の声で語るビデオがあるそうです。学生さんによれば「しぇしゃしぇたまふぃぬ」と言っていたそうです。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2004年 01月 28日 水曜日 00:31:08)
平安時代のものならば、まずは金田一春彦氏の源氏物語をあげねばなりませんね。
ここは弥生時代の話でした。