春とは・・・?
ねじまき
- 04/6/14(月) 16:43 -
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「売春」という言葉に春という漢字が使われてるのにはどのような意味があるのでしょうか?
よく「私の人生にも春が来た」と聞きますがそれと関係があるのでしょうか?
良かったら教えてもらえないでしょうか?
【148】
Re:春とは・・・?
道浦俊彦
- 04/6/14(月) 21:01 -
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中国の「五行説」によるのでは?人生と季節をオーバーラップさせているのではないでしょうか。
【149】
Re:春とは・・・?
ねじまき
- 04/6/14(月) 22:35 -
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▼道浦俊彦さん:
>中国の「五行説」によるのでは?人生と季節をオーバーラップさせているのではないでしょうか。
そうなのですか><;
今度その「五行説」というのを読んでみます。
わざわざどうもありがとうございました。
【150】
Re:春とは・・・?
岡島昭浩
- 04/6/15(火) 0:14 -
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▼道浦俊彦さん:
>中国の「五行説」によるのでは?人生と季節をオーバーラップさせているのではないでしょうか。
「白秋の青春」はまさに五行説ですね。
問題は、色気などの「春」と、青春などの若さが直結するのか、ですね。「思春期」などの言い方は関連性を思わせますが、どうも新しい言葉です。
「春」で情欲を表すのには、「春画」「春本」などがありますが、「春情」が古くからありそうな言葉です。『大言海』では、「春情」をの語源を説明して、「中国では昔、婚姻を仲春と定めていたところからで、婚を思う心の意」としていますが、どうでしょう。
なお、「回春」は、現在では特定のことに使われているようですが、古くは、若返ったり、病気が治ったりすることに使われていました。
【153】
Re:春とは・・・?
田島照生
- 04/6/16(水) 1:38 -
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春は陽が漸く発動し、陰が漸く減退する時期に中りますから、「陰」の象徴=女性は「陽」たる男性に惹かれる、ということなのでしょう(これが、「春」字に性的なニュアンスもある理由なのではないかと存じます)。逆に秋は、陰が漸く発動し、陽が漸く減退する時期ですから、男性が女性に惹かれる、ということになるのではないかと思います。
>「白秋の青春」はまさに五行説ですね。
一海知義『漢語の知識』(岩波ジュニア新書,1981)のなかに、「白秋と青春」というのがありましたね(一五一頁〜一五六頁)。尾崎雄二郎『漢字の年輪』(角川書店,1989)にも、「青春」(p49)という文章が採録されていますが、これはほとんど『辞海』の話題に終始していますね。
>「春」で情欲を表すのには、「春画」「春本」などがありますが、「春情」が古くからありそうな言葉です。
『漢語大詞典(縮印本)』で「春情」を引いてみました。魯迅の使用例も採録していますが、もっと古い使用例としては、たとえば斉(南朝)の王融《咏琵琶》から「絲中傳意緒、花裹寄春情」というくだりを引いています。
これは余談なのですが、小松奎文『いろの辞典』(文芸社)が、「春画」について以下のように書いています。
春画という言葉は中国の「春宮画」から生まれたといわれる。「春宮」は「春宵宮幃」の略で宮廷の寝室つまり宮中での性の営みであるという説と、「春宮」には皇太子という意味があるので春宮画は皇太子の性教育の教科書だという説がある。最初に春画を描かせたのは漢の時代とも殷の時代ともいわれるが、紀元前の中国宮廷に起源があるようである。(三八七頁。但し、2002年の新装改訂版による)
…寡聞にして存じませんでした。ただ、根拠が判りません。
>『大言海』では、「春情」の語源を説明して、「中国では昔、婚姻を仲春と定めていたところからで、婚を思う心の意」としていますが、どうでしょう。
『漢語大詞典』で「春」字の第四項を見ると、「情欲;春情。」という義が挙がっており、『詩経』召南・野有死麕から「有女懷春、吉士誘之」というくだりを引用しています。
ところで、婚姻に適した時期というのは二説あって、「仲春説」と「秋冬説」とに分かれているそうです。そしてそれらはいずれも、『詩経』を根拠としている様です。諸橋轍次『漢字漢語談義』(大修館書店,新装版1989←1961初版)では、先の「女有り春に懷ふ、吉士之を誘へ」を引いて、これが「仲春説」の根拠のひとつになっていると説いています(二一八頁)。また諸橋氏は、婚姻に適した時期を、秋冬から仲春にかけてとでもしておくのが適当なのではないか、というようなことを述べておられます。