2005年10月17日

全粒粉

【151】
全粒粉
 道浦俊彦
 - 04/6/15(火) 11:12 -
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最近耳にするようになった料理関係の言葉「全粒粉」ですが、辞書には載っていないようです。「ゼンリュウフン」と読むと思うのですが、GOOGLEのネット検索では2万件弱、「全粒粉、ゼンリュウフン」が28件、「全粒粉、ゼンリュウコ」5件でした。
どちらが正しい読み方なのでしょうか?
またいつ頃から使われるようになったのでしょうか?
ご存知の方、ご教示ください。



【152】
Re:全粒粉
 後藤斉
 - 04/6/15(火) 17:56 -
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リンクをうまく張ることができませんでした。農学、家政学分野では早くから使われていたものと思われます。

国会会議録検索システム 38 - 参 - 農林水産委員会 - 19号
昭和36年03月23日
○政府委員(須賀賢二君)
だから、言葉をかえて申し上げますと、今回の場合は、六十万トンを精麦川として払い下げます大、裸麦から従来の歩どまりで精麦を取りまして、それで、従来の歩どまり大体五八%、その五八%で精麦を取りまして、そこに麦ぬかができます。それから四十万トンの方は、大体全粒粉全部四十万トン。そうしてその麦ぬかと全粒粉をまぜた、いわゆる麦ぬかに相当実が粉にしてもまじりますから、そういう麦ぬかを作って、これを飼料にする。そういう考え方をとるわけです。

#OCRの認識ミスがかなりあるようです。



【155】
Re:全粒粉
 NISHIO
 - 04/6/17(木) 3:55 -
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>どちらが正しい読み方なのでしょうか?


『小麦粉料理探求事典』(岡田哲 編、東京堂出版、平成11年6月初版)に、
ぜんりゅうふん 全粒粉
 →グラハムこ
グラハムこ グラハム粉 (英 graham flour)
 小麦の外皮,胚芽を取り除かずに,丸粒のまま粉にしたもの。全粒粉,ひきぐるみの粉ともいう。1839年に,アメリカの医者,牧師のシルベスター・グラハムが,創製した健康素材。〈以下略〉→ぜんりゅうふん
とあります。
ちなみに『コムギの食文化を知る事典』(岡田哲 編、東京堂出版、平成13年7月初版)では、「シルベスター・グレアムが提唱〜」となっていたりしますが、同じ「Graham」氏ですね。


>またいつ頃から使われるようになったのでしょうか?


私の好きなビスケットのひとつに、明治マクビティの「ダイジェスティブ・ビスケット」があります。これが最初から全粒粉を使っていたような気がします。発売時期は『昭和B級文化論 ザ★おかし』(串間勉、扶桑社)によれば昭和48年。ただし当初から「全粒粉」を謳い文句にしていたかどうかは記憶にありません。
ボソボソした食感の全粒粉がことさら有り難がられるようになったのは、食物繊維が有用な栄養素だと認識された頃からでしょうか。



【156】
Re:全粒粉
 道浦俊彦
 - 04/6/17(木) 9:09 -
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今日(17日)放送の「どっちの料理ショウ」で「全粒粉」が出てきますが、どうも「ゼンリュウコ」と言っているようなのです・・・。チェックしたいと思っています。



【159】
Re:全粒粉
 豊島正之
 - 04/6/18(金) 18:28 -
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>どうも「ゼンリュウコ」と言っているようなのです・・・

強力粉(キョウリキコ)・薄力粉(ハクリキコ)ですから、ゼンリュウコでも自然では。

因みに、手元の「簡単な西洋料理支那料理--附食事作法」(「婦人倶楽部」別冊・
昭和5(1930)年12月)では、それぞれ「硬粉(かうふん)」「軟粉(なんぷん)」で、
「全粒粉」は見えません。



【160】
Re:全粒粉
 skid
 - 04/6/19(土) 11:46 -
----
桜井芳人編『総合食品事典』(同文書院、1960)
河野友美編『食品大事典』(真珠書院、1970)
に「ぜんりゅうふん」の見出しがあります。



【161】
Re:全粒粉
 佐藤
 - 04/6/19(土) 23:48 -
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『大辞林』にはあるようですよ。ぜんりゅうふん。
読みを入力してたら〔国語〕ボタンをクリック!
http://dictionary.goo.ne.jp/



【162】
Re:全粒粉
 岡島昭浩
 - 04/6/20(日) 10:47 -
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RWC-DB-TEXT-95-2 では、
全粒粉 ゼンフンコ
という読みが与えられてしまっています。

RWC-DB-TEXT-95-2というのは、
http://www.kc.t.u-tokyo.ac.jp/NLP_Portal/lr-cat-j.html#jp:rwc-95-2
こちらを参照。

いつごろからか、というと、
skidさんに挙げていただいた食品関係のものと、英和辞典のようなものとが早いのではなかろうか、と思うのですが、Graham flour はさておき、wholewheat flour か wholemeal flour のどちらかが、全粒粉のもとなのでしょうか。wholewheat flourの直訳なら「全麦粉」になってしまうのだろうか、などとも思いますが。
(「全麦粉」では中国語のサイトが沢山ヒットしますが、日本語もないわけではありません)



【164】
グラハム麺麭
 佐藤
 - 04/6/20(日) 18:17 -
----
「○○粉」の例ではないですが、当時の位置づけも分かるのでご参考に。

  ×(=麦+皮)を去らない麦粉の麺麭はグラハム麺麭と
  云ひ、欧州大戦のころは人民の食料にして居たが、平時
  には余り用いられぬ。
  (沢村真『栄養と食物』成美堂書店、昭和5年改訂。62頁)

中型・大型の英和辞典の古いものではどう和訳してあるのか、知りたくなりますね。



【168】
グラハム粉と全粒粉
 佐藤
 - 04/6/22(火) 2:26 -
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「グラハム粉」と「全粒粉」、同じものと思ってきましたが、別物と見ている記述がありました。少々混乱しはじめました。小麦粉・パン作りに詳しい方、いらっしゃいませんか?
http://murasakisumire.web.infoseek.co.jp/cookp31.htm

あるいは「グラハム・ブレッド」と称しても、各種小麦粉が中心で、グラハム粉ないし全粒粉は脇役あつかいの場合も多いようですね。たしかにその方が美味しいかもしれない。
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=279113



【169】
Re:全粒粉
 道浦俊彦
 - 04/6/22(火) 10:04 -
----
皆様、ありがとうございます。
「どっちの料理ショー」担当Sリポーターによると、「パン屋さん」の世界では「ぜんりゅうこ」と言うらしい、という情報も入ってきました。



【172】
Re:グラハム粉と全粒粉
 NISHIO
 - 04/6/23(水) 2:18 -
----
▼佐藤さん:
>「グラハム粉」と「全粒粉」、同じものと思ってきましたが、別物と見ている記述がありました。


>http://murasakisumire.web.infoseek.co.jp/cookp31.htm
グラハム粉と全粒粉を30gずつだったのですが、全粒粉は無いのでグラハム粉を60gにして作りました。



う〜ん、意味不明ですね。うどん粉とメリケン粉を使い分けるかのような…。
ひょっとすると、全粒粉のほうはコムギ全粒粉ではなくライムギ全粒粉だったりするのかもしれません。なわけないか。

   ----------------

>あるいは「グラハム・ブレッド」と称しても、各種小麦粉が中心で、グラハム粉ないし全粒粉は脇役あつかいの場合も多いようですね。


せいぜい「半分以下」がよろしいようです。

パン作りの疑問に答える パン「コツ」の科学』(吉野精一/大阪あべの・辻製パン技術専門カレッジ、柴田書店、1993年)
 全粒粉とは、小麦粒全体を粗挽きにした粉を指します。したがって、外殻、胚乳、胚芽のすべてが含まれる粉で、別名グラハム粉ともいわれています。外殻部分に多く含まれる食物繊維には、消化および整腸作用があるとされています。「グラハムブレッド」と称されているのが、全粒粉を一部練りこんだパンです。
 全粒粉のみでもパンはつくれないことはないのですが、ふすまや胚芽部分の割合が多くなると、生地中のグルテン組織が殻などの硬い成分で分断されるため、ガスを保持できず、非常に膨らみが悪くなってしまいます。その結果、火通りも悪くなり、半生の煎餅のようなパンになってしまうのです。ですから、いくら栄養価が高いといっても、食品としての価値が下がってしまう可能性があるので、全粒粉のみで作ったパンはあまりお勧めできません。

小麦粉料理探求事典』(岡田哲 編、東京堂出版、平成11年)
グラハムブレッド(英 graham bread)
グラハム粉で作る健康志向のパン.ふすまパン,全粒粉パン(ホールホイートミール・ブレッド/whole wheat meal bread)ともいう.半々に混ぜ合わせたグラハム粉,コムギ粉に,砂糖,糖蜜,油脂,脱脂粉乳,イースト,食塩を混ぜ合わせた生地を,中種法で低温発酵させた後に,ワンローフ型に成型し,やや低めの音頭で焼き上げる。


ちなみに、手打ちうどん用の「うどん粉」は中力粉ですが、「なければ強力粉と薄力粉を半々に」とするレシピを見たことがあります。ま、できなくはないと思いますが…。



【173】
Re:全粒粉
 NISHIO
 - 04/6/23(水) 2:59 -
----
>「パン屋さん」の世界では「ぜんりゅうこ」と言うらしい、という情報も入ってきました。


専門用語では敢えて一般と異なる読み方をすう場合がありますが(他の用語との混同を避けるため等)、その類でしょうかね。興味深い話です。

広辞苑の見出し語の「〜粉」を単純にカウントしてみると、やはり「〜こ(ご)」が「〜ふん(ぷん)」を上回っています。「米粉」は「こめこ」「べいふん」の両方あり。
こ・ご   74
ふん・ぷん 50
こな・ごな  3
おしろい  14
その他    2
(総計) 143

料理・食材関係では、穀類などの粉を「〜こ」と呼ぶことのほうが多いような気がします。「ふん」と呼ぶ語も、「澱粉」「魚粉」「肉粉」「骨粉」「麺粉」「卵粉」など、あるにはありますが。

15年ほど昔、何かのテレビ番組でゲストの女性タレントが「五香粉」のことを「ごこうこ」と呼んでいたのが強く印象に残っています。広辞苑では「ウーシャンフン」となっています。茴香(ウイキョウ)・肉桂(シナモン)・花椒(サンショウ)・丁子(チョウジ)・八角(ハッカク)などを混ぜ合わせた中国料理の混合香辛料。日本語の読み方は聞いたことがありません。



【180】
Re:グラハム粉と全粒粉
 NISHIO
 - 04/6/25(金) 1:20 -
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渋谷のデパ地下の食材売場で、同じ会社の「グラハム粉」と「全粒粉」が並んでいるのを確認しました。ここの製品です→ http://www2s.biglobe.ne.jp/~t0102/syouhinsyoukai1.htm
どちらも表示ラベルには「強力小麦全粒粉」と書いてありました。ふすまの粗さが「グラハム粉」は粗め、「全粒粉」は細かく、同じ会社の「ライ麦粉」の粗挽き/細挽きの差とほぼ同じでした。
一般的に「グラハム粉」と「全粒粉」を粗さで呼び分ける慣わしがあるのかどうかは不明です。



【181】
Re:グラハム粉と全粒粉
 佐藤
 - 04/6/25(金) 18:15 -
----
NISHIOさん、ご教示ありがとうございました。
先の例を見たとき、2つの粉のいずれかを別の小麦粉名に間違えたのかもしれない、と思っていました。が、細かく言い分けている実例があったのですね。

>どちらも表示ラベルには「強力小麦全粒粉」と書いてありました。

これも面白いですね。「グラハム粉」/「全粒粉」は商品名ということになるのか、それに近い感覚での名前なのでしょうね。



【182】
Re:グラハム粉と全粒粉
 豊島正之
 - 04/6/25(金) 19:07 -
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>細かく言い分けている実例があったのですね。


「ビアードさんのパンの本」(1976、根田春子訳・文化出版局)には、「全粒粉パン」
Whole-Wheat bread と「グラハムパン」Graham bread が別のレシピで出ています。
因みに、前者の全粒粉・強力粉比は3対2で、おいしく出来ます。
後者は、グラハム粉・強力粉を1対2で使うのだそうですが、作った事がありません。



【183】
Re:グラハム粉と全粒粉
 佐藤
 - 04/6/25(金) 19:39 -
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>「ビアードさんのパンの本」(1976、根田春子訳・文化出版局)には、「全粒粉パン」
>Whole-Wheat bread と「グラハムパン」Graham bread が別のレシピで出ています。


30年近くも前のもので確認できるのですね。「全粒粉」と「グラハム粉」は、厳密には別物なんですね。ん〜、あ、「従姉妹」と説明してあるところがありました。(^o^)
http://www.interq.or.jp/japan/hituji/bread/graham.html



【186】
「全粒粉」の初出?
 佐藤
 - 04/6/28(月) 16:31 -
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▼道浦俊彦さん:
>またいつ頃から使われるようになったのでしょうか?


この土曜日に地元の古本屋で購入した沢村真『〔実用〕食品辞典』(金港堂、明治44年11月)の「ぱん 麺包」(931ページ)の項にある成分表に「精粉製・中精粉製」と並んで「全粒粉製」の項目がありました。「全粒粉を使ったパン」ですね。



【191】
「全粒」だけですが
 skid
 - 04/6/29(火) 23:19 -
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『百科全書』(丸善商社、明治17年)の食物篇にある
裸麦の説明文には「全粒」があります。
「是穀ハ全粒或ハ砕末トナシ種々ノ製方ヲ以テ食用ニ備辨ス」


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