2005年10月17日

人間

【477】
人間
 道浦俊彦
 - 04/10/19(火) 21:06 -
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中国語では「世の中、世間」という意味ですが、日本語では「人」の意味で「ニンゲン」ですね。「ジンカン」と読むと「世の中、世間」の意味か。「人間」が「ヒト」の意味で使われ始めたのはいつ頃からで、その起源はどう言うことなのでしょうか?ちなみに復刻版『言海』で「人間」を引いたら、「世の中」の意味が最初にあり、3番目に「俗に誤ってヒト」というふうに書いてありましたが。



【478】
Re:人間
 佐藤
 - 04/10/20(水) 10:46 -
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▼道浦俊彦さん:
>「人間」が「ヒト」の意味で使われ始めたのはいつ頃からで、その起源はどう言うことなのでしょうか?


人口に膾炙した「人間五十年、下天の内を比ぶれば」(幸若『敦盛』)からだとなると話は早そうですが、果たして。これも元々は仏教的なもので「人の世」などの意味ですね。
http://www.jicpa.or.jp/coffee_break/20040506index.html



【480】
Re:人間
 道浦俊彦
 - 04/10/21(木) 8:14 -
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水平社宣言「人の世に熱あれ、人間に光あれ」の「人間」は「人」の意味ですよね?大賞11年、1922年です。



【481】
Re:人間
 岡島昭浩
 - 04/10/21(木) 11:33 -
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これについて、私が興味があるのは、〈「世の中、世間」の意味ではニンゲンと読むのは間違いでジンカンと読むべきである〉というような、言葉とがめが、いつごろからあるか、ということです。

いや、違いますね。いつごろから、ニンゲンがヒューマン、ジンカンが人生・世間というような使い分けが生じたか、というところですが、その一環として、言葉とがめの存在を知りたいわけです。



【483】
Re:人間
 豊島正之
 - 04/10/21(木) 19:18 -
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(旧)日本古典文学大系「今昔物語集(一)」(岩波書店)補注128(p.430)に、関連記事があります。尚、この本は何回も増補されているので、図書館などに収められている初刷の本には、この注が無いかも知れません。



【486】
Re:人間
 Yeemar
 - 04/10/22(金) 5:13 -
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▼豊島正之さん:
>(旧)日本古典文学大系「今昔物語集(一)」(岩波書店)補注128(p.430)に、関連記事があります。


補注の見出し語をピックアップしてすぐ検索できるようにしなければ、と感じました。

昭和40年の3刷によれば、「今昔物語集」(12世紀ごろか)の巻五第三に「天人ハ目不瞬カズ、人間ハ目瞬ク」とあることから、このころすでに「天人」の対語として「人間」(ヒューマン)の意味で使われたのではないか、というようなことが書いてあります。『日本国語大辞典』第2版も、この例を「ヒューマン」の意の初出と扱っています。初版では「好色一代男」の例が初出あつかいですから、ずいぶんさかのぼったものです。

「人間到る処青山在り」は、いつだったかNHK「クイズ日本人の質問」で取り上げられ、古舘伊知郎さんが「じんかん(が正しいと世上言われるが)、これは、にんげんと読んでもいいんです」と言っていたのを覚えています。メモは取っていません。

『言葉に関する問答集』では〈「人間、到ル処、青山在リ」の「人間」は、「ニンゲン」か「ジンカン」か〉という問があります。これについて縷々述べた後、〈……このような事情から考えると、元の詩については、「人間」を「ジンカン」と読むことによって誤解を防ぐ方が好ましい読み方だとも言えるのである。ただし、すでに「人間」を「ニンゲン」と読んで「ひと」と解釈し、Aの意味〔人間はどこでも墓所の地とすることができる〕でことわざのように広がっている現状を誤りとするには及ばない〉とあります。

この項の初出は1991年ですから、ことばとがめの記録としては新しいですね。



【498】
Re:人間
 佐藤
 - 04/10/24(日) 22:57 -
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▼豊島正之さん:
>(旧)日本古典文学大系「今昔物語集(一)」(岩波書店)補注128(p.430)に、関連記事があります。


高島俊男『お言葉ですが……』に反論があるようですが、まだ実見していません。Googleで検索するとその説を紹介したページがヒットするのですが、キャッシュのみ。


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