『日本語新辞典』
田島照生
- 04/11/7(日) 13:48 -
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けさ、讀賣新聞と日本経済新聞の広告で目にとまったのが、松井栄一編『日本語新辞典』(小学館)。まったくノーマークでした。
以下、広告欄からの抜粋。
「『日本国語大辞典』編集委員・松井栄一が、半世紀にわたる日本語研究の成果として編んだ“正しい日本語の使い方”がわかる待望の新辞典です。現代生活に必要な約63,000語を収録。類語から用例、アクセント、敬語など一語一語を徹底詳解しました。」
定価は六千三百円。小型の国語辞典にしては値が張ります。
また、「web日本語」の下記ページもご覧ください。
http://www.web-nihongo.com/dictionary/dic_52/d-index.html
国語辞典といえば、今月下旬には新明解の第六版も出るそうです。
【537】
Re:『日本語新辞典』
skid
- 04/11/9(火) 3:11 -
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▼田島照生さん:
>けさ、讀賣新聞と日本経済新聞の広告で目にとまったのが、松井栄一編『日本語新辞典』(小学館)。まったくノーマークでした。
>
>定価は六千三百円。小型の国語辞典にしては値が張ります。
A5判ですので、他の小型辞典より頭ひとつ大きい感じです。
そのぶん活字も大きめですが、読む辞典といった印象。
とりあえず102あるコラムに興味をひかれ、すべて目を通しました。
まさに、かゆい所に手が届くような内容だと思います。
日本語学習者に最適なのに値段が高いのは残念ですけれど、もしかしたら将来は小型版も出るかもしれませんね。
【539】
Re:『日本語新辞典』
道浦俊彦
- 04/11/14(日) 16:47 -
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>▼田島照生さん:
>とりあえず102あるコラムに興味をひかれ、すべて目を通しました。
私もコラムは全部目を通しました!コラムだけ集めて本を出しても売れるのではないでしょうか?
ただ、裏表紙の裏にある「コラムの目次」で、あいうえお順に並んでいる「万歳」(1603ページ)が、なぜか、「破天荒」(1375ページ)と「日暮れ・夕方」(1415ページ)の間に入っています。「バンザイ」と読むのなら「ハ行」のこの位置でいいのですが、ページ数が合いません。「マンザイ」と「マ行」で読むなら、「敬語ー参る」(1577ページ)と「未亡人」(1627ページ)の間でよいと思いますが、それなら目次の並び順が違います。
なぜだろう?
【540】
『国語辞書事件簿』
田島照生
- 04/11/18(木) 0:30 -
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『日本語新辞典』とはまったく関係がない話なのですが、辞書に関する話題ということで、ここに書きます。
今月下旬に、石山茂利夫さんの『国語辞書事件簿』(草思社)という本が出るそうです。価格は千八百円。『裏読み深読み国語辞書』と似た内容になるのでしょうか。
以下、草思社の「これから出る本」(http://www.soshisha.com/next.htm)より。
「『広辞苑』のネタ元になった辞書は? 名辞書『例解国語辞典』を襲った悲劇とは? 丹念な調査をもとに、辞書制作の舞台裏に迫る。」
【544】
Re:『国語辞書事件簿』
skid
- 04/11/19(金) 2:01 -
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▼田島照生さん:
>今月下旬に、石山茂利夫さんの『国語辞書事件簿』(草思社)という本が出るそうです。価格は千八百円。『裏読み深読み国語辞書』と似た内容になるのでしょうか。
前著までは言葉の問題を中心に書かれていますが、新著は辞書そのものにまつわる問題がテーマになっています。
章タイトルと主な小見出しを挙げてみます。
1 激突!いろは対五十音
明治人には「新しい時代の波」だった五十音/大槻文彦の「実験」/利用者に資格を求めた辞書
2 『大言海』八万語説の背景
国語辞書は仲間に冷たい/『大日本』の見出し語――二二万? 二〇万四〇〇〇?/『日国』の根拠は見坊データ?
3 誇大宣伝ファイル
看板に偽りあり!『大辞泉』増補版/営業用リニューアルの手本?『広辞苑』二版補訂版/『角川国語大辞典』の怪
4 悲劇の名辞書
名辞書『例解国語辞典』の悲劇/『レイカイ』のマル秘手直し大作戦/『レイカイ』には“欠陥版”がある
5 『広辞苑』のルーツ発見・序
6 『広辞苑』のルーツ発見・破
7 『広辞苑』のルーツ発見・急
【549】
Re:『国語辞書事件簿』
田島照生
- 04/11/20(土) 2:35 -
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▼skidさん:
コメント有難く存じます。
これは、たとえば『草思』などといった様な月刊誌に連載されていたものをまとめたものなのでしょうか。
第一章と、第五章以下の「『広辞苑』のルーツ発見(序破急)」というのが非常に気になります。
【551】
Re:『国語辞書事件簿』
skid
- 04/11/20(土) 18:12 -
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▼田島照生さん:
>これは、たとえば『草思』などといった様な月刊誌に連載されていたものをまとめたものなのでしょうか。
前著『裏読み深読み』は読売新聞日曜版の記事がもとになっているかもしれませんが、新著は関連性があるとはいえ、定年退職後に取材をやり直して書き下ろしたものと思われます。
>第一章と、第五章以下の「『広辞苑』のルーツ発見(序破急)」というのが非常に気になります。
5〜7の小見出しを少しだけ。
5 新村父子、参考辞書を公表/『辞苑』の親辞書はライバル辞書!/模倣隠しの裏技「組み合わせ」法
6 延々と続く模倣のパレード/松井簡治の容赦ない指弾/参考辞書告知は“新村トリック”?
7 息子による容赦ない告発「『辞苑』『広辞苑』は模倣の産物」/単行本並みに辞書を量産/モラルを疑う“辞書事業”/模倣の相関図/虎の尾を踏んだ? 新村出
実証的に動かぬ証拠を捉え、推理力を働かせたものとなっています。
以前、石山氏から「もとになった辞書は何だと思う?」と問われ、最初の『辞苑』が少人数で短期間に作られたことから先行辞書を挙げたら、よい勘だと言われました。
誰でも勘だけで言うことはできますが、ここまで踏み込んで論じられることはなかったと思います。
【552】
『新明解国語辞典』第六版
skid
- 04/11/22(月) 22:15 -
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見た目のことなんですが、「字音語の造語成分」として別枠で掲載している部分が変わりました。
第五版は、ほんのちょっとだけ大きく漢字を載せ、全体に赤の網点をかけてあります。
第六版は、漢字をかなり大きくして、赤の枠線で囲んでいます。
それはともかく、せっかく2色刷なのだから、もっと読みやすく色分けできないものかと感じます。
用例をたくさん入れたり、細かく意味分類をするなど、丁寧になればなるほど1項目の行数が増え、求める部分を見つけにくくなるからです。
【553】
Re:『新明解国語辞典』第六版
skid
- 04/11/23(火) 6:17 -
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第五版との単純な違いは、1500語増え1519頁が1616頁になったことと、語の運用に関する情報の「運用」欄を設けたこと。
「待遇表現にかかわる用法を中心に、必ずしもその語の一般的な意味とは一致しない側面や含意され意味を取り出し、対人関係にもたらすプラス・マイナス両面の表現効果を、具体的な用法を明示しながら解説を行なった」
「のたまう」の項目
*第五版
「おっしゃる」意の雅語的表現。〔「のたもう」は、より雅語に近い発音。口語でこの語を使う時は、多分に皮肉をたたえた一種しゃれに近い表現として用いられることが多い〕
*第六版
「おっしゃる」意の雅語的表現。〔終止・連体形は多く「のたもう」と発音される〕■運用■その場の状況や置かれた立場にそぐわない相手(第三者)の発言を、皮肉を込めて指すのに用いられることがある。例、「応急策を論じている時に原則論を宣うとは恐れ入った」