2005年10月17日

( )で終わる終止符。

【601】
( )で終わる終止符。
 畠中敏彦
 - 04/12/18(土) 10:24 -
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たとえば、(・・・)で文章が終わる場合、
(・・・。) なのか (・・・)。 なのか、どちらが正当なのでしょうか?
私の知る限り、両者が混在しているようですが。

些細なことですみません。



【602】
Re:( )で終わる終止符。
 Yeemar
 - 04/12/18(土) 12:04 -
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新聞社ごとなど、媒体によって独自の基準を定めているものと思います。

共同通信社『記者ハンドブック 新聞用字用語集』(第9版)と『朝日新聞の用語の手引』(1997)を見ましたが、だいぶ違います。原理原則には共通するものがあるかもしれませんが、例の列挙のしかたが違うため、原則が違うようにみえる面もあります。

私の流儀(今作った)では、(1)括弧内も文の一部であれば括弧を「。」の前に置き、(2)文の一部でなければ括弧を「。」の後に置くことになります。すなわち、

(1)私はこう思う(のだが、異論もあろう)。
(2)私はこう思う。(しかし、異論もあろう)

上記新聞社の基準では、(1)(2)を区別しないのでは、と思います。

一方、文中の場合は? 今作った私の流儀では

(3)私は、そんなことは許されぬ(ばかりでなく起こりえない)、と信ずる。
(4)私は、そんなことは許されぬ(そればかりでなく起こりえない)、と信ずる。

となって、文の一部かどうかでは区別をしません。すると、(1)(2)も分ける必要はないでしょうか。



【605】
Re:( )で終わる終止符。
 豊島正之
 - 04/12/19(日) 15:19 -
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>(2)私はこう思う。(しかし、異論もあろう)


寧ろ問題は、これを
<br/>
(3) 私はこう思う。(しかし、異論もあろう。)<br/>
(4) 私はこう思う。(しかし、異論もあろう)。<br/>

とするか否かなのではないでしょうか。
(丸括弧内で文が完結するときに、最後の句読点を閉じ括弧の外に出すか否か)。

因みに、私は 上記の様に(4)ですが、これは、林大(はやしおおき)先生から
直々に伺った方式です。そのとき、丸括弧内に2文以上あるとき、どうなさるか
お尋ねしたところ、「そう、それが困るんだけど」、それでも最後の句読点を
外に出すと伺った様に記憶します。



【606】
Re:( )で終わる終止符。
 Yeemar
 - 04/12/19(日) 17:28 -
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畠中さんのいわれるご趣旨を取り違えていたかもしれません。あらためて書きますと、

(1)私はこう思う(しかし、異論もあろう)。
(2)私はこう思う。(しかし、異論もあろう)
(3) 私はこう思う。(しかし、異論もあろう。)
(4) 私はこう思う。(しかし、異論もあろう)。

のうち、私は(1)(2)のことしか頭にありませんでした。ところが、過去の自分の文章を見直してみると、私は(1)または(3)で書く事が多いようです。1文か、それより短い単位ならば(1)で書き、複雑な1文または複数の文ならば(3)かもしれません。括弧内に複雑な文や複数の文を書くことをきらって、あらたに段落を起こすこともあります。

(4)にしない理由は、最後のマルも含めて文であり、マル括弧はその全体を注釈あつかいにすると考えられるからです。

共同通信の『記者ハンドブック』によれば、段落の途中の文ならば(1)とし、段落の最後の文ならば(2)とするようです(2001年第9版第2刷 p.77-78)。しかし、この区別は根拠がよくわかりません。

カギ括弧の場合は、同じようには行きません。

(5)先生は満足そうに微笑された「まさしくその通り」。
(6)先生は満足そうに微笑された。「まさしくその通り」
(7)先生は満足そうに微笑された。「まさしくその通り。」
(8)先生は満足そうに微笑された。「まさしくその通り」。

ふだん会話文のカギ括弧内にマルを付ける習慣の人は、ためらわずく(7)を使うはずです。カギ括弧内にマルを付けない習慣の人は、可能性として(5)(6)(8)ですが、(5)はあまりないものと思います。

私はどうかというと、マル括弧の場合と異なり、(6)または(8)を使うように思います。(8)を使うときは、
  「まさしくその通り」とおっしゃった。
の略という気持ちで書いているときです。



【608】
Re:( )で終わる終止符。
 Yeemar
 - 04/12/19(日) 19:54 -
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次のような例もあります。カギ括弧の前後にマルを使うものです。
 最後に、ぼくのいちばん気にいった「憲法前文」の最初の二行を紹介する。ぼくは、いますぐにでもその国に亡命したい。「全くもってタイシタコトのない/世界的にみてソコソコの国がいい。」。ちなみに、作者は女子高生。〔高橋源一郎〕(「朝日新聞」2002.08.18 p.9)
韻文の引用などは、原文にマルがあるかどうかを示すため、このような処置をとる場合もあるでしょう。

――などと書いていると、この話題について、既視感があらわれてきました。以前、
 括弧と○の位置について
というスレッドがあったのであります。そこで、私は“。」。”のような書き方についても触れています。



【610】
Re:( )で終わる終止符。
 NISHIO
 - 04/12/20(月) 11:37 -
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▼Yeemarさん:
>(1)私はこう思う(しかし、異論もあろう)。
>(2)私はこう思う。(しかし、異論もあろう)
>(3) 私はこう思う。(しかし、異論もあろう。)
>(4) 私はこう思う。(しかし、異論もあろう)。


新入社員の頃に、「補足・注釈を括弧書きする場合は、括弧内が直前の1文のみに掛かるときはマルの前に書いてもよいが、2文以上に掛かるときはマルの後に書く」と指導されました。
カッコ内の文にマルを付けるかどうかはとくに指導された記憶がありませんが、読みやすく分かりやすい文章を書くためには長い文や複文の括弧書きは避けるという原則を優先して「〜。(図1参照)」のような書き方にとどめています。

法令の文章はカッコ内の文にマルを付ける慣習があるらしく、下記のような表記をしばしば見かけます。
北海道開発局組織規則・第五条(農業水産部の所掌事務)
 四 国が直轄で行う災害復旧事業に関すること(農林水産省の所掌に属するものに限る(林野庁の所掌に属するものを除く。)。)。




【611】
Re:( )で終わる終止符。
 Yeemar
 - 04/12/20(月) 20:01 -
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▼NISHIOさん:
> 長い文や複文の括弧書きは避けるという原則を優先して「〜。(図1参照)」のような書き方にとどめています。


つまり長い文や複文はそもそも括弧に入れないということですね。

> 四 国が直轄で行う災害復旧事業に関すること(農林水産省の所掌に属するものに限る(林野庁の所掌に属するものを除く。)。)。


これは驚きました。マクドナルドのダブルバーガーのようです。法律や政令、通達などをよく調べてみたいと思います。



【616】
Re:( )で終わる終止符。
 畠中敏彦
 - 04/12/23(木) 9:28 -
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Yeemarさん、豊島さん、NISHIOさん、ありがとうございます。

ここに投稿させてもらった後、新聞の記事を注意してみておりますが、
Yeemarさんが言われるような記述(下記)になっているようですね。
多岐にわたり情報を集めたわけではありませんが。

▼Yeemarさん:
>(1)私はこう思う(しかし、異論もあろう)。
>(2)私はこう思う。(しかし、異論もあろう)


>共同通信の『記者ハンドブック』によれば、段落の途中の文ならば(1)とし、段落の最後の文ならば(2)とするようです(2001年第9版第2刷 p.77-78)。

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