松本市の重要文化財「旧開智学校」を訪ねました。立石清重が設計施工し1876年に竣工した擬西洋建築の瀟洒な小学校です。これまで修学旅行を含め複数回訪ねました。見学しながら私がとったメモの字を判読すると以下のようです。
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1.開智学校のピアノの説明札に
大正7年(1918)5月、松本尋常高等小学校筑摩部{つかまぶ}〔ボールペンで振り仮名〕の開校記念に寄贈された
「ちくま」でも「つくま」でもなく「つかま」の読みがあることを知った。
2.開智学校校歌
藪しもわかぬ 天つ日の 光あまねき 影みても 世の人みなは 隔てなく いつくしむこそ 宜しけれ
鳴っていたオルゴールによれば、節は「レレソラシラソ ミーミソソラー レーソミレレソラ シーソシラソー レ(高)レ(高)シソミラレ ミーラソシラー シーラソレレミド ラーソシラソー」。(MIDI音源〔期間限定〕)
3.展示品の甕(県立松本中学校主催の第9回小学校野球連合大会〔大正2年〕の賞品)に
最優退賞
「優退」は『日本国語大辞典』になし。「続けて勝って退くこと」か。
4.「以呂波図」明治7年〔ポスター様のもの。壁に貼られていたか〕
マス目の中に「いろは」のひらがな字体を示す。字体は現行とほぼ同じで、各々の下に小さく1〜2種の変体仮名を書き添える。ただし、「そ」は「う」に似た字体を主とする。また、「お」の字体は左側が「オ」、右側が「こ」となっているものか(破れていてよく分からず)。説明書きには「明治のはじめの頃は、平仮名はまだ一般的ではなかったため、読みやすいように変体仮名が補われています。」とある。この説明はちょっと違うのではないか。
5.福沢諭吉「世界国尽」(明治2年)所載のカラー世界地図
現在の「太平洋」はそのまま「太平洋」とあるが、「大西洋」は「あたら海」(「あ」は「阿」の変体仮名)とある。「あたら」とは何であろうか。「Atlantic」であろうか。テキストファイル
http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/bun/kunidukusi.txt(岡島さん)
を見ると「阿多羅海」とも書かれているようである。
6.『尋常小学 国民新算術書 生徒用 巻一』
ヨセル
数を示した絵と絵との間にこう記す。「plus」の意で用いているようだ。算盤用語からか。
おまけ 旧司祭館(開智学校西側)
「県宝」と説明書きに。長野では「国宝」に習い「県宝」を定めているようである(他県にはないのではないか)。