辞書を食べた人々
岡島昭浩
- 04/10/4(月) 14:44 -
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佐藤さんが気になることば39にお書きの、辞書を食べる話、ここにもありました。
小林信彦『おかしな男 渥美清』(新潮文庫2003.8.1)の「対談 渥美清と僕たち」(小沢昭一と。「波」2000.4月号より)から。
小沢 私は台詞の覚えが悪い方ですから、沢村貞子さんによく叱られるんです。「(古川)緑波《ロッパ》さんは単語を覚えようとして、辞書を端から食べたんだ。食べると覚えられるんだから、あんたも台本食べなさい」って。(p474)
【424】
Re:辞書を食べた人々
佐藤
- 04/10/4(月) 16:33 -
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▼岡島昭浩さん:
>佐藤さんが気になることば39にお書きの、辞書を食べる話、ここにもありました。
御教示ありがとうございます。私のところからのリンク先が消えたようなので、別のところをリンクします。朝河貫一のほか西依成斎にも言及するので(その節はお世話になりました!)便利かと思います。
http://www.21ccs.jp/soso/gyakujun/gyakujijunji_01.html
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【440】
Re:辞書を食べた人々
岡島昭浩
- 04/10/6(水) 22:35 -
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『60年代 ことばのくずかご』から。
彼〔白秋〕の少年時代、「言海」を二冊買って、その一冊は毎日少しずつ切り取って学校への往復にそれを暗記した。そして、すっかり覚えてしまうと、帰りにそれを家の近くの堀にすてた。白秋はこの話をして、「ぼくは、言葉をたべた」といった。(「朝日新聞」2月2日朝9「辞書をたべる」「きのうきょう」欄佐藤達夫)
辞書の使用証言を探していて、見つけました。
伝説としての記載は、黒田龍之助『外国語の水曜日』現代書館 2000のp210に、
辞書を食べて単語を覚えた、という伝説を聞いたことがある。語学の教師として意見をいわせていただければ、まったく無意味な行為だと思う。栄養学の先生からは、また別の理由からやめることを勧められるだろう
また、日本の名随筆『別巻74辞書』に、杉浦明平「辞書を食べる」がはいっています。
【446】
Re:辞書を食べた人々 南方熊楠
佐藤
- 04/10/7(木) 20:33 -
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南方熊楠。これは有名な話なのでしょうか。杉浦明平「辞書を食べる」、不精して未確認ですが(一読してはいるはず)、触れられているかもしれませんね。
【802】
Re:辞書を食べた人々
岡島昭浩
- 05/4/24(日) 15:18 -
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ページが移動しているようです。
http://www2.big.or.jp/~yabuki/soso/so8507b.htm
当時は、多分、神保格・常深千里の新書サイズのものも、まだ出ていない頃ではないかと思います。
調べると、『發音横引國語辭典』というのがあったようです。15cm。
http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3ABA73144606
これにアクセントが書いてあるのかは知りません。読本類のアクセントを書いたものは出ていたでしょう。
大正までのアクセント辞典というと、高橋龍雄『国定読本発音辞典』(同文館、明治37年)がちょうど文庫本サイズです。
『發音横引……』は、単に仮名遣や排列の問題による命名なのでしょうね。
ご教示の『国定読本発音辞典』は、『辞書解題辞典』によれば、178語収録ということで、随分少ないですね。
テレビドラマで使われていたのは、NHKアクセント辞典の文庫サイズ時代の緑色のに似ていました。
凡例によると、比較参考のために載せた国定読本以外の語が178語となっています。
18行×2段組で、ほとんどが1行項目ですから、収録語数は8000語以上になるはずです。
この辞典は意外に稀覯のようですから、ドラマの小道具で簡単に使えるものではないでしょう。
日本放送協会編『日本語アクセント辞典』の昭和26年版なら薄い紙なので、食べるのに適しています。
日本放送協会は昭和18年に初版を出していて、『明解国語辞典』も同年に出版されていますが、昭和7年の神保格・常深千里『国語発音アクセント辞典』や昭和9〜11年の『大辞典』(平凡社)のあと、昭和13年に吉沢義則編『アクセント表示 新辞海』があったこともあまり知られていないようです(アクセント担当者は日本放送協会用語調査嘱託の三宅武郎)。
実物に当たっていただきありがとうございます。
多分、撮影に際して見本としたのは、NHKのアクセント辞典だろうと思います。横書きでした。
最初見たときには、右横書きかと思ったのですが、あとで、「全部食べた」と言って映った序文は、左横書きでした。そのあたりで、NHKのアクセント辞典二十六年版に似ているな、と思ったのでした。
録画しておいて静止画像で見たいぐらいなのですが、もう叶いません。
また、NHKのアクセント辞典の十八年版、二十六年版も、持っているはずなのですが、出てきません。
ところで、テレビドラマは、
原案:中丸美繪『杉村春子 女優として、女として』(文藝春秋刊)とのこと。最近、文庫化されたものですね。
http://wwwz.fujitv.co.jp/onna/1126.html
上京は昭和二年。
宇井英『国民読本のアクセント』(発行:宇井英、発売:新高堂書店、大正8年)
著者、発売元、印刷所、ともに所在地は台北です。
序説14頁、本文106頁、索引48頁。
『国民読本』巻一から巻八までのうち、約2000語を出現順に掲載。
ほとんど無声になる母音のある音節の上・平・下を表示する場合、台湾語のアクセントを表記するのに用いられる符号を使用しています。
「私が子供のころ、郷里では本間雅晴中将に関するつぎのような伝説がよく聞かれたものである。本間雅晴は明治二一年、佐渡島に生まれた。かれが佐渡中学生の時代、通学途上で英語辞書を読みながら単語を暗記し、暗記した頁を食べていったというエピソードである。こういうエピソードはどこにでもあるが、郷里からでて偉い将軍になった人の話として語られるところに意味があった」