「散灰・遺灰」によせて # ケイソン(鮭鱒)
Yeemar
- 05/5/7(土) 2:41 -
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「散灰・遺灰」によせて
の続きです。とりわけ、「ケイソン」(鮭鱒)に関してです。
武田泰淳の「ひかりごけ」に出てきました。
漁業の話の中に、ときどき「ケイソン」という単語がまじるのを、私は急には理解できませんでした。本文は全集や文庫本によったほうがよかったのでしょうが、たまたま目にした本を引用しました。
「ケイソンだけを相手にしていると、漁業も不安定ですが、ここではさいわいコンブやイカなどもありますから」
「ですから、ケイソンばかりに重点をおかずに、牧畜も奨励するようにしています」
ケイソンとは、「鮭鱒」の漢音でした。(武田泰淳「ひかりごけ」〔1954年発表〕『北海道文学全集16』立風書房 1981 p.38 下l.1)
奇しくも、「言語生活」の例とわずか1年違いです。
一方、私が目にしたと思った「鰹鮪」を「けんゆう」と読む例は、ほかにいっこうに目にせず、しかも字音としてもおかしいようなので、目の迷いか、それとも……と気になったままです。