2005年10月17日

上杉謙信

【146】
上杉謙信
 岡島昭浩
 - 04/6/13(日) 23:00 -
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「掘った芋はどこに」の、上杉謙信の話。「耳で聞いたとおりに発音すればよいのか」にも関連。

石山輝夫『英語辞書活用術』講談社オレンジバックス(s59.7.10)に、
むかしからよくいわれることだが、アメリカのPhikadelphia市を、カタカナのフィラデルフィアといっても絶対に通じない。かわりに古豆腐屋《ふるどうふや》といえば通じる。(中略)また、ロンドンのKensingtonをカタカナ語のとおりにケンジントンといってもわかってもらえない。かわりに上杉謙信の謙信《けんしん》といえば通じるという。これもよく聞く話である。
 笑い話だろうが、このことを聞いた日本人が、ロンドンへ行ったとき、謙信というつもりが、つい口がすべって信玄《しんげん》(武田信玄)といってしまい(後略)

とありました。(43頁)

他に、「Not at all」を「鉈取る」、「Come again」を「鎌源」なども書かれています(56-57頁)



【157】
Re:上杉謙信
 畠中敏彦
 - 04/6/17(木) 18:08 -
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▼岡島昭浩さん:
>石山輝夫『英語辞書活用術』講談社オレンジバックス(s59.7.10)に・・・


石山輝夫先生に、
私がサラリーマン時代、「ビジネス英文の書き方」について、数回教わりました。
既成にとらわれない大変ユニークな講義で、退屈しなかったのを覚えております。
「英語辞書の和訳は、誤りが多いから参考程度に」と、よく言っておられました。

すみません、本題と関係なくて。



【185】
耳からの英語(Re:上杉謙信)
 岡島昭浩
 - 04/6/28(月) 11:34 -
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谷譲次『テキサス無宿』に、いくつかあります。現代教養文庫で見ているのですが、この本が、いつのものか、などの解説がありません。著者の没が1935年ですから、それ以前ということになり、本文冒頭には、「一九二〇年」とあり、その時代の話です。

サンドウィッチ――これがめりけん人が鼻声でいうとセミチと聞える。簡単でいい。(31頁)

先方が|御めんなさい《ベッグ・パアドン》って言ったら、おまえさんなんと挨拶なさる?」
「Certainly! って。」
「そうそう、そうだろ、セツニって言うだろ。見えねえな、そのセツニは日本語の切にじゃねえか。言い方もこころも同じこった……(81-82頁)

141頁にもいくつか。「弗府《フィラデルフィヤ》が古豆腐屋《フルドウフヤ》」「what's the matter? がスマラ?」など。

古豆腐屋の古例といえましょうか。

青空文庫には『踊る地平線』がはいっていますが、これには何かあるでしょうか。
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person272.html



【309】
Re:上杉謙信
 岡島昭浩
 - 04/8/20(金) 14:17 -
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West Kensington の上杉謙信は、城生佰太郎・松崎寛『日本語「らしさ」の言語学』(講談社1995.1.9)にもありました(「武田信玄」と間違えたのは無し)。「揚げ豆腐」もあって、こちらは「焼き豆腐」と間違えたと。



【408】
揚げ豆腐(Re:上杉謙信)
 岡島昭浩
 - 04/9/27(月) 21:18 -
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石射猪太郎『外交官の一生』中公文庫のp94。
降りたいときには、“揚げ豆腐ひや”(I get off here の意)と言えば車掌がおろしてくれますしね」と老夫人は笑うのであった。

ほかにも、「ボルチモア」が「ボルモル」など、耳から英語の例あり。

昭和25年に読売新聞社から刊行されたものに、「新たに発見された原稿を追加し」昭和47年に太平出版社から刊行されたのが、親本とのことです。著者は昭和29年没。



【822】
Re:上杉謙信
 岡島昭浩
 - 05/5/14(土) 0:22 -
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比較的古い例。
和田垣謙三の『兎糞録』大正2.7.14発行(大正2.12.2 16版による)のp253、
West Kensington と云ふ英国の地名を「上杉謙信殿」と覚ゆる等は、類似連想を基礎とする一種の記憶法にして斯かる例は他にも多し。



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