2005年10月17日

3ガイ、4カイ

【874】
3ガイ、4カイ
 道浦俊彦
 - 05/6/3(金) 10:08 -
----
最近の若者は、時間の「3分、4分」を、「3プン、4プン」と半濁音ではなく、清音で、「3フン、4フン」と言うようですが、助数詞の連濁に関して伺います。

階数の「3階、4階」は「3ガイ」「4カイ」ですが、同じ「ん」のあとにくるのに、なぜ「3階」は「ガイ」と濁り、「4階」は「カイ」と濁らないのでしょうか?
「3階」の方が、「4階」よりも良く使われるからでしょうか?
また、「13階」は濁りますか?濁りませんか?「23階」はどうですか?「103階」は??

「3階」は濁るのに「3回」は濁らないので、前に「ん」がくると連濁するということでもないようです。 

もう一つ、「3件」は濁らないのに、「3軒」はなぜ濁るのでしょうか???

ご教示ください。よろしくお願いします。



【875】
Re:3ガイ、4カイ
 Yeemar
 - 05/6/4(土) 14:33 -
----
▼道浦俊彦さん:

私は、このことについて論文などを読んでいるわけではありませんが、頭を整理するために返信させてください。

「三階」と「三回」、「三軒」と「三件」の連濁の有無の違いは、語の新古、それに使用頻度によると思います。「三階」と「三回」の違いはアクセントも関係しているのでしょうか。

・文献について
最近では
 田野村忠温「「さんがい(三階)」と「よんかい(四階)」」(『いずみ通信』16 1992.08)
といった論文があるようですね(ちょっと入手しがたいものです。いずれ読みたい文章です)。

・三階と三回
「○階」のほうは、古くから使われています。(意味を無視すれば)すでに日本書紀に冠位十二階などに関する記述があります。日本古典文学大系(旧)の『今昔物語集』に「三階(サンカイ)ノ仏法」と清音表記があり、校注者がそう読んだと思われます。「平家物語」や元禄の西鶴作品では「三階」は「〜がい」と連濁しています(これは原典にそうあるのでしょう)。

いっぽう、「○回」は、古い例はあるものの、一般化したのは、江戸時代後期に物語の回数で「第一回」「第二回」「第三回」と使われるようになってからではないでしょうか。「階」に比べ、よく使われるようになったのが遅かったと見ます。

・三軒と三件
「○軒」のほうは、江戸時代に入ってからはよく使われたようで、たとえば「好色一代女」に「三軒(げん)」とあるなどこの時期以降の例は多数あります。

いっぽう、「○件」は、江戸後期以降でしょうか? 用例も少ない模様。「春色辰巳園」に「御連中の時の一件かへ」とあり、「孔雀樓筆記」に「漁具六件」とあるような使われ方です。

これらを見るかぎり、「三階」「三軒」のほうが「三回」「三件」より歴史が古く、かつまた、古くからよく使われているようです。

・「三階=さんがい」と「四階=よんかい」
「四階」が「よんがい」にならないのは、「四」を「よん」と読むのがずいぶん新しいからでしょう。『日本国語大辞典』の「よん」の項には、1917年の『口語法別記』の例しか載っていません。もちろん、これ以前にもこの読み方はあったでしょうけれども。古くは「しかい」でしょうか。

・「三階=さんがい」と「十三階=じゅうさんかい」
私は後者は濁らずに発音します。13階以上のビルは新しいため、濁りにくいのでしょうか。浅草十二階ができたのは明治ですね。

これと似ているかどうか、「十四日」「二十四日」が「〜よっか」であるのに対し、「三十四日」「百四日」などは「〜よ(ん)にち」と言いたくなります。前者は暦にあってよく使うのに対し、後者はあまり使う機会がないからだと思います。

・若い人の「三分(さんふん)」「四分(よんふん)」は気づきませんでした。いつごろから指摘されているのでしょうか。


この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。