つい言ってしまう! #
Yeemar
- 05/4/25(月) 18:45 -
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つい言ってしまう!
の続きです。
自分はどういう言い間違いをするものか、しばらく前に、いちいち記録してみたことがあります。数日でやめました。寺尾康『言い間違いはどうして起こる?』(岩波書店 2002)のことが多少、念頭にありました。
振り返ってみると、語彙的な間違いが多く、音の間違いは少なかったように思います。
2005.04.07
「中野」を「早稲田」と言った/「押し入れ」を「たんす」/「手元」を「手前」/「たしか」を「ただし」/「一段落」を「いと……」(「いちだんらく」と「ひとだんらく」の混淆)/「あたたかい」を「あかるい」/「つかれる」ないし「しんどい」の意を表明しようとして「あつい」
2005.04.09
「冬」を「春」
2005.04.10
「汗をかかぬ」を「汗をきかぬ」/「電車」を「バス」
2005.04.11
「しだれざくら」を「しらぜだくら」
上は、「sidarezakura」→「sirazedakura」ですから、なかなか複雑な音位転倒と思います。
しばらく間が開き、2005.04.19に「まんぞく」を「まんぼく」と言ったのを記録したあたりで、やめてしまいました。
7日に間違いの数が多かったのは、発言量が多かったせいでしょう。
【806】
Re:つい言ってしまう! #
satopy
- 05/4/27(水) 1:50 -
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▼Yeemarさん:
>「しだれざくら」を「しらぜだくら」
>上は、「sidarezakura」→「sirazedakura」ですから、なかなか複雑な音位転倒と思います。
位置だけみると、母音はそのままで、子音のdrzがrzd。rzがセットで先に来たのですね。そのきっかけを考えてみて、ひょっとすると言語形成期の方言はdとrの交替(たとえば「角のうどん屋→かろのうろんや」)が見られる方言でしょうか?
岡島さんご子息の「pato」以来の興味深い例で、ついついレスしてしまいました。お許しを。
以前、講義で「変化のプロセス」というべきを、「変化のプロレス」と言ってしまい、ウケてしまいました。たしかに言語変化の過程はそういうものかもしれません。
【807】
Re:つい言ってしまう! #
Yeemar
- 05/4/27(水) 19:51 -
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▼satopyさん:
>ひょっとすると言語形成期の方言はdとrの交替(たとえば「角のうどん屋→かろのうろんや」)が見られる方言でしょうか?
私は香川県高松市で育ちましたが、周囲では「うどん」を「うろん」のように言っていた記憶はありません。自省では、方言的な要素のために「シラゼダクラ」になったという感じはありません。
ただし、脇田順一『讃岐方言の研究』(1938、1975復刻 国書刊行会)によれば、どうも郡部を中心に(1)ザ行→ダ行、(2)ザ行→ラ行、(3)ザ行→ダ行、(4)ダ行→ザ行、(5)ダ行→ラ行、(6)ラ行→ザ行の例があったようです。
〔例〕
(1)「雑炊」を「ドースイ」
(2)「雑炊」を「ロースイ」、「人力車」を「リンリキシャ」(これは「県下全体」とのこと)、「涼しい」を「スルチイ」、「水」を「ミル」(これも知りませんが、朝鮮語「mul」と響きあって面白い)
(3)「簪」を「カンダシ」、「座敷」を「ダシキ」
(4)「戸棚」を「トザナ」、「綽名」を「アザナ」(後者の例は私にも聞き覚え・言い覚えがあります。ただし「あざな=字」との混同か)
(5)「大根」を「ライコン」
(6)「利巧な」を「ジコーナ」、「軽業」を「カジワザ」、「鈴」を「ジン」、「龍吐水」を「ジュートスイ」
上のほとんどは、私には馴染みのないものです。
ただし、(6)は、私も観察したことがあります。高松市内では「今切っている」の意で「キッリョル」と言いますが、人によっては「キッジョル」と言います。「今走っている」は「ハシッリョル」ですが、人によって「ハシッジョル」になります。
また、私が2002.05.03-04に香川県西部海上の伊吹島で聞いたところでは、「ジンザ」(甚三郎)を「ジンダ」、「理事会」を「リディカイ」というなど、ザ行→ダ行の例がいくつかありました。
縷々述べましたが、私自身の方言は、母方の埼玉方言などがまじり、あやしいことを申し添えます。基本語のアクセントも自省できないものがあります。両親、近所の人が元気なうちにアクセント調査して、私自身のアクセントとどうずれているか、いないか、確かめておかなければならないと思います。
【808】
Re:つい言ってしまう! #
Yeemar
- 05/4/27(水) 19:53 -
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>ただし、脇田順一『讃岐方言の研究』(1938、1975復刻 国書刊行会)によれば、どうも郡部を中心に(1)ザ行→ダ行、(2)ザ行→ラ行、(3)ザ行→ダ行、(4)ダ行→ザ行、(5)ダ行→ラ行、(6)ラ行→ザ行の例があったようです。
(1)と(3)は重複ですね。
【826】
Re:つい言ってしまう! # (いつどとなく)
Yeemar
- 05/5/15(日) 19:11 -
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「混淆」の例です。
2005.05.09、タレントの藤井隆さん・乙葉さんが婚約会見を行い、その席で「いつ結婚を決意したか」(というようなこと。または、「いつから相手を意識しだしたか」)を問われた藤井さんが「いつどとなく……」と答えていました。字幕にも「いつどとなく」と出ました。思うに「いつとなく」と「いくどとなく」の混淆でしょう。
放送局も正確なやりとりも記録していませんでしたが、捨て去るには惜しいのでこちらに報告します。芸能ニュースのサイトでもこのやりとりは記録されていないようです。
【877】
Re:つい言ってしまう! # 「地本問屋」
岡島昭浩
- 05/6/5(日) 14:58 -
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「的中地本問屋」の「地本問屋」を「じほいどんや」と言ってしまいます。
おそらく、素直に読んでしまうと「じほんどんや」なのを「じほんどいや」に訂正しようとして、訂正個所を間違えてしまうのでしょう。