・「では、○○さんに登場していただきましょう」とは言わない
朝鮮語に「チュダ」という動詞はあり、「(……して)やる(あげる)」「(……して)くれる(くださる)」という意味は表すことができる。しかし、「(……して)もらう(いただく)」という意味は表さないので、「〜ていただきましょう」という言い方は朝鮮語にないわけ。
「パリを案内してやってくれ」、「(私のギャグを)笑ってやってください」のように「やる」+「くれる」を重ねる言い方もないようです。
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日本語では、ホテルで客が水をこぼしたとき、従業員は「お拭きいたしましょう」と言うはずです。しかし、朝鮮語では
「拭いてさし上げます」(タッカ トゥリゲッスムニダ=Dakka deurigesseumnida)
となる。日本語式の頭で考えれば、これは客に恩を売る表現に聞こえるところ。また、中国語でも
「我幇〓{にんべんに尓}擦」
となり、やはり「あなたのために拭こう」という意味になるようです。
・終助詞のバラエティ
日本語の「がんばってますね」「がんばってますよ」は、当然大きく意味が違います。朝鮮語ではこのように終助詞相当語によってさまざまな意味を加えるということはあまりないようです。「yo」(……ですね)という語尾はありますが。
中国語の語気詞のほうがまだしもバラエティがあるのかもしれません。たとえば、「口へんに拉」(la)、「口へんに阿」(a)、「口へんに屋」(o)、「口へんに約」(yo)など。中国人留学生の説明によれば、「口へんに阿」は知らせる感じ、「口へんに屋」と「口へんに約」はほぼ日本語の終助詞「よ」に当たるとのことですが、中日辞典の説明とはやや異なります。
教授に推薦状を書くことを依頼する場面で、中国人留学生は、「需要推薦書。」という中国語の言い方を直訳し
「推薦状の提出が必要です。申し訳ないですが、先生に書いていただけないでしょうか。」
と表現したそうです。それを日本語の先生(私ではない)が
「推薦状の提出が必要なんですね。申し訳ないですが、先生に書いていただけないでしょうか」
と終助詞「ね」をつけた形に添削した、ということです。私なら単に「……必要なんです。……」としたかもしれません。