1997年04月07日

【恥垢】

 昨日はPerfecTV!JIC地球の声(278ch)で、「筒井康隆の21600秒」という番組が放送されたはずである。私は現在パーフェクTVを受信できる環境にはないが、この番組の為の公開録画を東京まで聞きにでかけた。そこで朗読されたのは「エンガッツィオ指令塔」という作品なのだが、この作品の朗読は、既に断筆中の秘密朗読会で聞いたものであったから、それを東京へわざわざ行くとは我ながら好きである。ともかく放送されたようなので、公開されたと考えて言及することにする。

 この作品は題名から伺えるように結構スカトロなのだが、作品中、チクと発音されたものは「恥垢」のことであろうと思われる。私自身はこれをチコウと読むし、「恥垢撚れ・近う寄れ」というような駄洒落を聞いたこともあるので、チコウと読む人が多いのではないか、と思いながら辞書を引くとこれが載っていない。チクでも載っていない。「無垢」というのがあるから、呉音のクで読むこともあるのだろうが、世代差とかあるのだろうか。「歯垢」なんてことばも新しそうだが、これは『日本国語大辞典』にも載っている。
 そういえば、「願望」もガンモーと呉音で読まれていた。これは「乖離」にもあったと思う。
 この番組は今後も何度か放送するようだ。多分私もチラリとぐらいは映っているのでないかと思うのだが、それよりも言語資料として、録音でもいいから手に入れたいものである。《大辞林第二版には「チコウ」で立項されていることを教授頂いた。》
posted by 岡島昭浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 目についたことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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