1997年04月11日

【岡井慎吾】

 私が関心を持っている学者の一人に岡井慎吾がいる。『日本漢字学史』というのを書いた人で、熊本にも居た人である。ところが(というのも変だが)、出身は福井であり、なんだか私と逆のような人ではある。

 図書館の中をうろついている時に、郷土の人物とかいうような本を開いてみたところ、橋本進吉や芳賀矢一にまじって岡井慎吾も載っていた。福井師範の卒業(M26)であったのだ。福井大学教育学部の前身だ。また、ここを卒業した後、福井県内の朝日小学校に赴任し、そこの校歌も作っているという。どんな歌詞を作っているのか見たくなり、「朝日小学校〜年史」みたいな本はないかと捜したのだが見当らない。県立図書館の郷土資料室にでも行かなければ仕方ないかな、と諦めたのだが、その後、地方志のあたりを見ていたら、『朝日村誌』というのがあり、それに朝日小学校の校歌も載っていた。

朝日小学校校歌 岡井慎吾作歌(吉田恒三作曲)
一 昇る朝日と名におへる
  学の庭にうち集ひ
  つむやかたみに教へ草
  のぼる朝日のたゆみなく。


二 のぼる朝日と名におへる

  学の庭をふみならし
  おふす心の杉はしも
  のぼる朝日のいや高く。
(『朝日村誌』大正9.10.15)p17


「おふす」は「おほす」とあるのが普通だろうと思う。《でも「あめつち」には合う。》


 「作詩」ではなく、勿論「作詞」でもなく、「作歌」であるのも面白かった。

posted by 岡島昭浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 目についたことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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