1996年08月23日

【チャリンコ】

 自転車をチャリンコと呼ぶのも、朝鮮語のチャジョンゴ(「自轉車」の朝鮮漢字音。「車」にはシャの他にコのような音もある。《ジテンコというのは立派な音読みである》)というのを、語源俗解(チリンチリンというべルの音に引きつける)したのではないかと考えていたら、同じようなことが真田信二『日本語のバリエーション』(アルク1989.2.17)p17に書いてあった。私自身は1985年以前ぐらいにふと思ったのであったが、真田氏の記述には、井上史雄「新方言辞典稿」を『東京外国語大学論集』47号(1993)で見た時に気付いたものである。
 鈴木豊「俗語使用の広がり―「チャリンコ」を例として―」(『文京女子短期大学英語英文学科紀要』26(1993.12))という論文がある。鈴木氏は1974年に初めて耳にした、ということで、よく覚えているものだと感心するが、『国語年鑑』によると鈴木氏は1958年の生まれであるから、高校入学の頃に聞いたのではなかろうか。私は何時が初耳だったか全く思い出せないが、74年よりは後の事になりそうである。
 『現代日本語用例全集』では79年が初出になっている(『言語生活』の「耳」)が、同年発売の、さだまさし「木根川橋」(LP『夢供養』所収)の「チャリンコ」は、私は違和感を感じた記憶はなく、既に耳に馴染んでいたと思う。
posted by 岡島昭浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 目についたことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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