1996年08月25日

【ポイント】

 よろずや談義に、パーセンテージの上下/比較を表わすときに用いられる「ポイント」についての指摘がある。確かに引き算や足し算をして単位が替わるというのはおかしい。高校で物理Iを習ったときに、〈求めるべき単位を考えれば、何を掛けたり割ったりすれば良いのかが大旨わかる〉ということを教えられ、大いに感心した記憶があるが、そういう常識をゆるがして貰いたくないものである。
 佐藤和之「図表・グラフを書く」(雑誌『日本語学/臨時増刊/ハンドブック論文レポートの書き方』1994.5.20明治書院)によれば、
マスコミで常用されるポイントの根拠は総務庁統計審議会情報処理部会の報告に拠っている。昭和五六年一月に出された『統計に係る用語及び表記方法』には、「百分率で表わされた二つ以上の統計比率について、相互の大きさの単位を表わす場合は、原則として『ポイント』を用いる」(百分率の比較−ポイント)とまとめている。

とのことである。お上の御墨付であったか。しかし妙なものに御墨付を与えたものだ、という気がする。

 なお、「ポイント」のこの意味は、『新明解』では第4版(1989)から載り、『三国』では第3版(1982)ですでに載せられている(2版は不所持)。
posted by 岡島昭浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 目についたことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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