例えばトマトをパトという。
t o m ato
舌・無声破裂音 唇・鼻音
× ○ × ○ ×
[ p ]
つまり、tから無声破裂音という素性を、mから唇音という素性を得て、pという音になる。
○花火(ハナビ)をハミという。
ha n a b i
舌・鼻音 唇・有声破裂音
× ○ × ○ ×
[ m ]
nとbをかき混ぜてmになるのである。
《最近では長い単語も言えるようになってはきたが、「タベル」を「パエル」と言ったりもしている。タの破裂音とベの唇音とでパになるわけだ。10/11》
いやぁ、音韻論って本当に素晴らしいですね。
また以前、ある子供(小学生)から、
クルマというよりもブーブーという方が長いのに、どうして長い方が子供言葉なのか。
というようなことを聞かれたことがある。いや、多分私に問うたのではなく、他の大人に聞いていたのを耳に挟んだのであったのだと思う。
先程、3音節が辛くて2音節化する、と書いたが、この場合の音節は、音声学的に見て一纏まりとなる、アン・アッ・アー・アイなどを1音節と見るものである。アンを「ア・ン」と2音節と数えるやり方もあるが、混乱してしまうのでこれは2拍と呼ぶ(2モーラとも)。
クルマは3音節、ブーブーは2音節である。長いとはいえない。ではイヌとワンワンではどうか。ともに2音節である。しかし発音の際の負担を考えると、ワンワンの場合には同じワンを繰り返せば良いだけなので、その分楽である。
わが息子も、3音節ではあるが繰り返しがあるシュッポッポ・ポンチッチを、ちゃんと(ではないが)発音している。《繰り返す、というのは音節単位でなくとも良い。母音は違っていても同じ子音を二度使うのは、異なる子音を使うのよりも楽なようである。》
ブーブー・ワンワンが幼児語となっているのは、故なしとしないのである。
<pre>を使ったけど、うまく揃いませんでした。等幅って本当に等幅なのかな。
《1byte文字と2byte文字の比が1:2ではない由、お教え頂きました。》
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