〈中村監督は「オマリーにことごとくやられている」と忸怩たる思いを抱き続けてきた。〉
という例があるなど、「腹立たしい思い」「ふんまんやるかたない思い」の意で使われているといいます(なお、『大辞林』第2版によれば「忸怩」は「自分のおこないについて、心のうちで恥じ入るさま。」)
先日「週刊現代」などという雑誌を読んでいますと、次のようにありました。
降格させられた関氏は、「まだ大学に籍がある」とうことで今回、取材に応じてもらえなかったが、前出の教授によれば、「一OBとして一心をなげうって改革に取り組んできたのに何たること」と忸怩{じくじ}たる思いでいるという。(「週刊現代」2005.12.03 p.55)これは「腹立たしい思い」「ふんまんやるかたない思い」の典型例でしょう。
国会会議録検索システムで今年の(衆参すべての)議事録から拾ってみると、「忸怩たる」が「腹立たしい」〜「もどかしい」などと思われる意味で使われている例が数例出てきました。以下にそのうちの2つを記します。
平成17年02月01日 参議院 予算委員会このデータベースを使えば、かなり古い例が拾われるかもしれません。
○国務大臣(中川昭一君) 今の野上委員の御指摘でございますが、あらゆるところで私は申し上げているつもりでありますが、なかなか朝日新聞の方がきちっとした報道を、その以降も報道をしてくれないというじくじたるものがあるわけでございますが、簡単に事実関係を申し上げさせていただきます。(=腹立たしい・もどかしい?)
平成17年07月26日 衆議院 青少年問題に関する特別委員会
○水島広子委員(民主党・無所属クラブ) もうお金も時間も限られているわけですから、そこはもう一つ一貫した思想を持ってきちんと取り組んで、それでようやく間に合うかどうかというところではないかと思っていますので、非常にじくじたる思いでいるわけです。(=もどかしい・焦燥に駆られる?)
【関連する記事】
佐賀県古川知事の玄海原発再起動に関する記事の中で
『県幹部の1人は「知事は、判断をすべて県に丸投げした国に対して忸怩たる思いを抱えていた」と話し…』と書いてある。
これはまさしく腹立たしいという意味で使ってあると思います。