2006年08月24日

ブルーギル

外来魚のブルーギルは、「青いえら」という意味だそうです。

ところが、なぜ「青いえら」か、ということになると、説が分かれます。

(1)「名前の由来は、えらぶた後端の突出部が濃紺色であることによる。 」
大阪府・水生生物センター

(2)「名は雄のえらぶたにある青緑色の縞に由来する。」
(CD-ROM版「世界大百科事典」)

(3)「鰓(えら)ぶたの後端の青黒く光る斑点が特徴.」
(『コンサイスカタカナ語辞典』第3版)

(4)「えらぶたには鮮やかなブルーの縁取りがあります。」
(ポツくんの釣り入門・ブルーギルの釣り方

諸説のうち共通するのは「えら」という部分だけで、「blue」とは濃紺なのか、青緑なのか、あざやかなブルーなのか不明です。「gill」とは突出部のことなのか、縞なのか、斑点なのか、縁取りなのか、不明です。

こうなると、ことばは頼りないので、ネットでひたすら写真を探してみました(日本のサイトに限らず、bluegillのキーワードで探索)。耳のように突出した黒い部分が映っている写真・絵がたくさんありました。しかし、濃紺色かどうかは分かりません。また、青い縞や斑点がないという確信もありません。

この分野に詳しい方はいらっしゃいませんでしょうか。
posted by Yeemar at 04:37| Comment(6) | TrackBack(0) | 疑わしい語源説の出所 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月18日

ぽち袋

ぽち #」とも関連します。

銀座・伊東屋(文房具店)で「ぽち袋」祭り(たくさんの小さい祝儀袋を集めて売る)のようなことをしていました。そのフロアの壁に張ってあった手作りのワープロの紙に以下のようにありました。
「ぽち袋」とは

「ぽち」とは、日本古来の大和言葉からあるもので
「雨だれがあける小さな穴」という意味でした。
それが次第に「点」「小さい」などの意味になり
江戸時代には「ひとりぼっち」などと、いろいろな
意味を含んだ言い回しが生まれました。
基本的な意味は現代も変わりませんが、ぽち袋には
「少しばかり(わずかばかり)ですが、慶んで頂け
たら・・・」という心が込められています。
色も形もバラエティ
豊かなぽち袋、
常にお持ち歩きに
なると大変便利です。
いろいろなシーンで
お役に立ちます。〔原文縦書き、手書きメモより〕
(2006.08.17 銀座伊東屋)
「ひとりぼっち」は「一人法師」であろう、とすぐに考えつきますが、古くは「ぽち」が「雨だれがあける穴」であった、というのは、どこから出てきたのか、よくわかりません。
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2006年04月12日

ことばのおもしろ雑学事典

「しかと」「くだらない」語源説の出所(Yeemar)」で触れたQライターズ倶楽部編『ことばのおもしろ雑学事典』(西東社、1989、絶版)を、7年を経て手に入れました。

全部で400項目以上あり、壮観ではあります。ぱらぱらめくってみると、思わず目を見張るような通俗語源説が並んでいます。

1例のみ挙げるなら、「おちゃっぴい」の「お茶」は秘所を言い、「ぴい」は漢字で書くと「〓{毛へんに皮}」でこれも卑猥な意であると、ワープロにない字まで使って説明してあります。(『日本国語大辞典』などには「お茶ひき」からとあります)

これは一体、だれが、どこから取ってきた説であるかと思い、巻末や見返しのあたりを見ても、執筆者名も、参考文献の名も記されていません。したがって、この「おちゃっぴい」の珍説の出所も不明のままです。

7年前、ある学生が、本書を根拠に「しかと」「くだらない」の語源に関するレポートを書きました。たしか不可にはしなかったと思いますが、なんとも心臓の強い学生です。

学生は、原典を転記する際に、断りもなく省略・改変をほどこしたようです。7年前に掲示板に引用した文章を改めてみると、たしかに、若い女性のことば遣いの特徴があります。
posted by Yeemar at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 疑わしい語源説の出所 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする